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次回英文(第6回)
In another moment down went Alice after it, never once considering how in the world she was to get out again.
メモ① see it pop down ~
seeの使い方について補足をしておきます。
本文:see it pop down a large rabbit-hole
it は「ウサギ」を指しています。上記は「ウサギが大きなうさぎ穴に飛び込むのを見る」という意味です。この see の使い方を一般化すると「see A do-原形(Aが~するのを見る[~するのが見える])」となります。他の形と合わせて整理しておきましょう。
- see A do-原形 「Aが~するのを見る[するのが見える]」
- see A do-ing形 「Aが~しているのを見る[しているのが見える]」 【途中】
- see A -ed形 「Aが~されるのを見る[されるのが見える]」 【受身】
用例を見ておきましょう(英文は[ジーニアス])
- We saw him walk across the street.
(彼が通りを横切るのが見えた) - We saw him walking across the street.
(彼が通りを横切っているのが見えた) - Have you ever seen the boxer knocked down?
(そのボクサーがKOされるのを見たことがありますか?)
see の後に「何が+どうする/される」という文が変形され組み込まれていると考えるとよいでしょう。1では「Aが~する(=彼が横切る)」、2では「Aが~している[途中](=彼が横切っている)」、3では「Aが~される[受身](=ボクサーがKOされる)」という文がそれぞれ変形され組み込まれているとみなせます。
メモ② just in time
just in timeという表現について考えていきます。この表現の基本となる訳は、「ちょうど間に合って」です。
- We got to the station just in time to catch the train.
(我々はちょうど列車に間に合う時間に駅に着いた)
[オーレックス]
ただし、「間に合う」という訳が不自然に感じられるような場合は、多少工夫した方がよいでしょう。「ちょうど~するのに間に合った」ということは、「ぎりぎりで[なんとか]~できた」ということになります。以下の例が参考になります。
- The train came to a jarring halt just in time to prevent an accident.
(列車が急にガクンと停止し、かろうじて事故を免れた) - I grabbed his arm just in time.
(すんでのところで彼の腕をつかんだ) - I nearly fell over but recovered my balance just in time.
(あやうくころびそうになったがぎりぎりの所でふみとどまった)
[新編 英和活用大辞典(研究社)](下線は引用者)
では、『アリス』本文に戻りましょう。
本文:she ran across the field after it, and was just in time to see it pop down a large rabbit-hole ~
「ウサギが大きなうさぎ穴にぴょんと飛び込むのを見るのにちょうど間に合った」では、すこし不自然に思えます(ウサギが穴に飛び込むことが予定されていた/アリスが事前に知っていたかのように聞こえる?)。そこで、動画内の訳例では、「ウサギが垣根の下の大きなうさぎ穴に飛び込むのがどうにか見えました」としています。