→ ニコニコ動画版
次回英文(第4回)
but when the Rabbit actually took a watch out of its waistcoat-pocket, and looked at it, and then hurried on, Alice started to her feet, for it flashed across her mind that she had never before seen a rabbit with either a waistcoat-pocket, or a watch to take out of it,
メモ① I shall be late!
シロウサギの発言 “I shall be late!” で使用されている shall について補足をしておきます。shall には、「私、私たち」を主語にして「未来」を示す用法があります(I shall ~, we shall ~)。これは、一般にイギリス英語の用法とされます。注意点は以下の通りです。
[shallとwill] 英米ともshallは古風で、もったいぶった感じがするので、使われるのはwill、shallを合わせた全体の使用量の5%程度。〈英〉では一人称の平叙文の場合にshallを使うこともあるが、willを使う方がふつう。〈米〉では聖書や古い文献から引用する場合くらいにしかshallは使わない。
[ジーニアス]
上記の通り、現代の英語ではシロウサギが用いたような “shall” の使用は減少しています。ただし、『アリス』(1865年刊。英国の作品)を読む上では知っておく必要があります。
メモ② she thought it over
turn off A [A off](A(明かり・テレビなど)を消す)という表現を例に取って、「2つの形を持つ動詞表現(他動詞+副詞)」の使い方について見ていきます。この表現には「①turn off A (Aが「後」に置かれる)」と「②turn A off (Aが「間」に置かれる)」の2つの形があります。このタイプの表現では、Aが it のような「代名詞」のときに注意が必要になります。Aが「代名詞」の場合には、②の「間」に置く形を用いるのが原則です。
1.「電灯を消す」 → ① turn off the light ② turn the light off
2.「それ(it)を消す」 → ① - ② turn it off
本文で、think over A [A over](Aをよく考える) という表現が登場しました。Aが it という代名詞ですので、②の「間」に置く形、つまり think A over が用いられています。
本文:when she thought it over afterwards
(彼女があとでそのことをよく考えたとき)
メモ③ remarkableとout of the way
同じような意味を表すのに表現を変えるということは、しばしば見られます。今回は、remarkableとout of the wayがそれに該当します。辞書を引いておきましょう。
[OALD](下線は引用者)
(1) remarkable
unusual or surprising in a way that causes people to take notice
(2) out of the way
used in negative sentences to mean ‘unusual’