英語で読む『不思議の国のアリス』第1章 第17回

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今回の英文(第17回)
‘And what an ignorant little girl she’ll think me for asking! No, it’ll never do to ask: perhaps I shall see it written up somewhere.’

次回の英文(第18回)
Down, down, down. There was nothing else to do, so Alice soon began talking again. ‘Dinah’ll miss me very much to-night, I should think!’ (Dinah was the cat.)

メモ① see

ここでは、see について見ていきます。
まずは、復習です。

□ see A -ed形 「Aが~されるのを見る[されるのが見える]」

本文:perhaps I shall see it written up somewhere.
訳例①(ひょっとすると、それがどこかに書かれているのを目にするかもしれない)

it は「(地球を突き抜けた先の)国の名前」で、 see の後の “it + written up” は受身の「状態」を示していると考えられます。write up A [A up]は、「(人が見えるように)Aを書く、Aを書いて掲示する」という意味なので、「それが書かれている[掲示してある]のを目にする」という意味になります。

では、今回の本題である see について見ていきましょう。
英語の「知覚」を示す表現(例:see ~)は、日本語の「存在」を示す表現に相当する場合があります。
次の例を見てください。英文の動詞は、find/found や see/saw ですが、日本語訳は「ある」や「いる」となっています。

a. I found it. 
あったぞ。

b. You will see a panda if you go to the zoo.
動物園にいけばパンダがいるよ。

c. Then I saw a big lady standing there. 
太ったおばさんがいたの。

d. You find koalas in Australia.
コアラはオーストラリアにいる

『アフォーダンスの認知意味論』 本田啓 東京大学出版会 pp.148-149  (引用に当たり注などは削除)

先ほどの本文該当箇所でも see が用いられていますが、「見える/見る」とするよりも、すこし工夫して訳したほうがよさそうです。
動画の「訳例」では、以下のようにしました。

本文:perhaps I shall see it written up somewhere.
訳例②(ひょっとするとどこかに、書いてあるかもしれない)